派遣社員は派遣先に直接、労働環境・待遇の相談・交渉する権利はない??


そんなことありません。
派遣先は派遣社員からの苦情を適正に処理する義務があります。(派遣法第40条第1項)

 

派遣社員の雇用主は派遣会社のため、派遣先企業が派遣社員からの労働環境・待遇などについての相談・交渉を直接聞く義務は無いと勘違いしている方が結構いるようです。
しかし派遣法第40条第1項にて、派遣先は派遣社員から苦情があった場合は適正かつ迅速に処理しなければならないとしております。

また派遣社員の「就業条件明示書」にも、苦情処理・申出先として派遣元ともに派遣先も通常明記されているはずです。
(参考:(PDF)モデル就業条件明示書|厚生労働省)

派遣社員を就業させる場合、派遣社員の待遇・労働環境に対する責任は派遣元(派遣会社)にだけあるわけではなく、受け入れ先の派遣先にも一定の責務が発生します。

以下「(PDF)第9 派遣先の講ずべき措置等|厚生労働省」より引用

 

3 適正な派遣就業の確保

(1) 概要
イ 派遣先は、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者から当該派遣就業に関し、苦情の申出を受けた時は、当該苦情の内容を当該派遣元事業主に通知するとともに、当該派遣元事業主との密接な連携の下に、誠意をもって、遅滞なく、当該苦情の適切かつ迅速な処理を図らなければならない(法第40条第1項)。

2) 苦情の適切な処理
イ 苦情の申出
派遣労働者から出される派遣先における苦情の申出(例えば、指揮命令の方法の改善等)は、派遣先事業主、派遣労働者を直接指揮命令する者、派遣先責任者に限らず派遣先や派遣先に代わって派遣労働者を管理する職務上の地位にある者が認識し得るものであれば申出としての効果を持つものであり、その方法は、書面によると口頭によるとを問うものではない。
ロ 苦情の内容の派遣元事業主への通知
苦情の申出を受けた場合は、当該苦情の内容を、遅滞なく、派遣元事業主に通知しなければならない。ただし、派遣先において、申出を受けた苦情の解決が容易であり、現実的にその苦情を即時に処理してしまったような場合は、あえて派遣元事業主に通知するまでの必要はない。

ハ 苦情の処理の方法
(イ) 派遣労働者の苦情が、派遣先の派遣労働者への対処方法のみに起因する場合は派遣先のみで解決が可能であるが、その原因が派遣元事業主にもある場合は、単独では解決を図ることが困難であり、派遣元事業主と密接に連絡調整を行いつつ、その解決を図っていくことが必要である。いずれの場合においても、中心となってその処理を行うのは派遣先責任者であり、後者の場合にあっては、派遣先責任者が派遣元責任者と連絡調整を行いつつ、その解決を図らなければならない。
(ロ) 派遣先は、派遣労働者の受入れに際し、説明会等を実施して、派遣労働者の苦情の申出を受ける者、派遣先において苦情の処理をする方法、派遣元事業主と派遣先との連携を図るための体制等労働者派遣契約の内容について派遣労働者に説明するものとする(「派遣先の講ずべき措置に関する指針」第2の7(第9の15参照))。

 


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