パソナの無期派遣の内容が???これで無期雇用なのか?
派遣法改正による3年ルール・5年ルール回避のため、各派遣会社が無期雇用派遣制度を設立しています。
(参考記事:3年ルール・5年ルールとは? )
各派遣会社によって待遇は違うのですが、ネットでパソナグループの「無期派遣従業員就業規則」の内容がヒドいと話題になったため解説してみます。
※以下条文は、ネットで公開されていた株式会社パソナジョブサポートの「無期派遣従業員就業規則」(平成29年10月1日施行)からの引用となります。ネット情報によるとパソナ本体も含めてパソナグループの派遣会社は同じ内容のようです。
ただ、ご自身の進退を決める時は本ページを鵜呑みにせずに正式な情報を集めて冷静にご判断頂くようお願い致します。
(退 職)
第46条 スタッフは、次の各号のいずれか一に該当するときは退職する。
5)第3条第1項乃至第3項又は第4条第1項乃至第3項に基づき会社がスタッフに指示すべき就業場所及び業務を1か月間確保できず、会社がスタッフに指示できない旨を通知した日から暦日数30日が経過したとき。
意訳
「パソナが派遣先を見つけられなかった時は、派遣社員は最短2ヶ月で退職となります。」
それって無期雇用なの??
パソナほどの大企業なので、法的な内容は精査していると思いますが、これで3年ルール・5年ルール回避の要件満たしているのだろうか?
他の派遣会社も同じようなこと書いているのかと思ってネットに公開している他の派遣会社の「無期派遣従業員就業規則」をいくつか見てみましたが、そのような文言は他では見当たりませんでした。
JXキャリアサポートという派遣会社では逆に「会社は無期派遣社員を、労働者派遣契約の終了のみを理由として解雇しない。」の文言が入っていました。
2 前項の指示の都度、会社はスタッフに対し、同スタッフが従事する業務内容、派遣期間、就業日、就業時間、休憩時間、給与及びその他の労働条件を「就業条件明示書」により示し、スタッフはこれに従うものとする。また、この場合の就業日及び就業時間は週20時間を基本としてスタッフの就業先により増減変動し、給与は業務内容により会社が個別に定める。
3 前項の通知後といえども、会社はスタッフに対して、1週間前までに通知することにより就業場所及び業務を、前項で通知した就業場所以外の就業場所又は会社が請け負った若しくは受託した業務実施場所、及びその就業場所等の業務に変更を命じることがある。この場合の就業日、就業時間、休憩時間、給与及びその他労働条件は会社が当該変更通知でスタッフに示し、スタッフはこれに従うものとする。
6 スタッフには、通勤交通費を支給しない。
意訳
「パソナから派遣先について指示があったらスタッフは従って下さい。給与や就業日は派遣先によって変わります。1週間前に通知することでパソナは派遣先を変えられるものとします。。その場合ももちろん給与とかは変わります。」
1週間後の派遣先および給料(時給)すら読めないとか怖すぎます。それって登録型派遣より安定していないんじゃないのか?
「就業日及び就業時間は週20時間を基本として」の一文も謎です。
さらにパソナの無期雇用派遣は、通勤交通費は支給されないため遠方の派遣先を指示された場合かなり悲惨なことになりそうです。
(他の派遣会社では無期雇用派遣に通勤交通費払うところ結構あるようです。)
無期雇用派遣は派遣先指示されたら断れないは他の派遣会社でもあるようです。
でも無期雇用派遣なのに派遣先見つからない場合はクビと堂々とうたっているのは今のところパソナだけです。
無期雇用の解雇は以下の通りそれなりに制限があるようですが、その要件を満たしているのか疑問です。
他の派遣会社が追随しなければいいのですが。。。
【派遣で働くみなさまへ】
以下は、派遣法違反の可能性があります。
①無期雇用に転換後、1か月派遣先がなければ、辞めてもらうと言われた。
②3年の派遣期間制限のため、次の更新はないと言われた。
この他、派遣でご相談があれば、お近くの労働局まで。https://t.co/ZE9PDHBcYg— 厚生労働省 (@MHLWitter) September 25, 2018
使用者が、定年によらず、無期労働契約に転換した労働者を解雇する場合には、労働契約法第16条の解雇権濫用法理が適用され、当該解雇が「客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であると認められない場合」には、権利濫用に該当するものとして無効となります。
この規定が事実なら、醜悪そのもの。派遣会社の本性剥き出しで、分かりやすいですが。
この規定にもとづいて退職させられた方、いたらご連絡ください。闘えます。
「就業規則に書いてあるから仕方ないよね」というのは、まったくの誤解。 https://t.co/kAQsGhDAj9— 嶋﨑量(弁護士) (@shima_chikara) October 9, 2018
日本労働弁護団常任幹事、ブラック企業対策弁護団副事務局長、ブラック企業対策プロジェクト事務局長。神奈川県弁護士会所属。労働組合の顧問多数、労働事件は労働者側のみ。 講演取材などは所属事務所(神奈川総合法律事務所)へ。「5年たったら正社員!?」(旬報社)「裁量労働制はなぜ危険か」(岩波ブックレット)
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まだ勤務先と時給・勤務時間の指定まではしていない」|togetter
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事前にわからないと対応できない。
やはり通過させる気がないのか?
パソナはブラック?