国税不服審判所「通勤手当出ない派遣社員の交通費非課税は認めません」


10年ほど前になりますが、派遣社員をしていた方が交通費は税金のかからない非課税所得に当たると主張して源泉徴収税額の還付を求めて国税不服審判所に訴えた事例があるのでご紹介します。

(通勤交通費の税金って何のこと?って方はこちら
通勤交通費が支給されない派遣社員だけ課税される問題)

 


国税不服審判所 平20.6.19、裁決事例集No.75
以下、意訳

(1)派遣社員の主張
イ 非課税所得である通勤手当が給与に含めて支払われているという理由で課税されるのは、課税の公平から考えて妥当ではない。
ロ 通勤手当が別途支給されない派遣労働者が個人負担する通勤費は、給与を得るために必ず発生する必要経費であって、(途中略)、税制上、一定の範囲で非課税措置(控除)が認められるのは当然のことである。

(2)国税庁の主張
法律で通常の給与とは別に支給されている場合となっているので、自分の給与から交通費を払っても非課税にはなりません。

 

所得税法第9条《非課税所得》第1項第5号は、給与所得を有する者で通勤するもの(以下「通勤者」という。)が、その通勤に必要な交通機関の利用又は交通用具の使用のために支出する費用に充てるものとして通常の給与に加算して受ける通勤手当(これに類するものを含み、以下「通勤手当等」という。)のうち、一般の通勤者につき通常必要であると認められる部分として政令で定めるものについては、所得税を課さない

(3)判断
派遣社員の主張は却下

参照:
(平20.6.19、裁決事例集No.75 176頁)|国税不服審判所


派遣社員の方は、「税の公平性」や「給与を得るための必要経費」を理由に通勤交通費の非課税を主張しましたが、「法律で非課税になるのは交通費手当とかの別途支給と決まっている」という国税庁の主張で一蹴されてしましました。

 

う~ん、これは法律がおかしくないかと思いますね。
交通費別途支給なら非課税を認めて、そうでないなら認めないのかとか意味がさっぱりわかりません。
私には派遣社員の方の主張が筋が通っているように思います。

 

国税不服審判所は国税庁の一機関で、裁判所とは異なります。
国税不服審判所の判断は裁判所で覆ることもあります。
(参考記事:国税不服審判所って何だっけ?納税者〝完全勝利〟は全体の1.6%)

 

このおかしな法律と不公平な事象が約10年経ってもいまだ是正されていないのが問題ですね。


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